How to Grow
さつまいもの育て方
さつまいもの苗の植え方を、植える時期、土作り、肥料の量、植える向きと間隔、つるぼけの防ぎ方、収穫と貯蔵まで順にまとめました。はじめて植える方、去年つるばかり茂って芋が太らなかった方、プランターで育てたい方はご覧ください。

さつまいもは、手をかけすぎないほうが育ちます
さつまいもは、やせた土地でも育つ作物です。水やりも、追肥も、ほとんど要りません。
失敗の多くは、世話が足りないことではなく、肥料のやりすぎから起こります。肥料屋が言うのもおかしな話ですが、さつまいもに関しては「肥料は我慢する」がいちばんのこつです。
このページでは、畑の準備から貯蔵まで、順に説明します。
1年の暦
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 4月中旬〜5月上旬 | 土作りと畝立て |
| 5月中旬〜6月中旬 | 苗の植え付け |
| 6月〜7月 | 草取り。つるが畝を覆えば草は生えなくなります |
| 8月〜9月 | つるが通路で根を張っていたら、持ち上げてはがします |
| 8月下旬〜11月上旬 | 収穫。品種によって掘りどきが違います |
| 収穫後 | 貯蔵。寝かせると甘くなります |
植える時期
ここでの時期は、家庭菜園向けの切り苗(つるを切った苗)の場合です。静岡など暖かい地域では、5月の連休明けから6月中旬が植えどきです。目安は、平均気温が18℃を超え、遅霜の心配がなくなったころ。関東より北や標高の高い地域では、5月下旬から6月が適期です。
7月上旬まで植えられますが、遅くなるほど芋が太る期間が短くなります。早掘りの品種を8月に掘りたい方は、5月上旬から中旬のうちに植えておくと安心です。
土作りと肥料
日当たりと水はけのよい場所を選びます
さつまいもは、日がよく当たり、雨のあとに水がたまらない場所を好みます。粘土質で水はけの悪い畑では、畝を高くすることで補えます。
肥料は、ふつうの野菜の半分以下です
前の年に野菜を作っていた畑なら、肥料は入れなくて構いません。土に残っている分で足ります。
はじめて耕す場所や、やせた土地では、1平方メートルあたり窒素3g、リン酸6g、カリ10gが目安です。窒素を抑え、カリを多めにするのが、さつまいもの肥料の考え方です。窒素の少ない「いも専用肥料」を使うと、配合に迷いません。草木灰もカリの補給に向いています。
苦土石灰は、ほとんどの畑で要りません。さつまいもは酸性の土に強い作物です。
堆肥を入れるなら、完熟したものを植え付けの2週間以上前に。未熟な堆肥や鶏ふんは、つるぼけと、芋の肌荒れのもとになります。
畝は高く立てます
幅60〜70cm、高さ30cmほどの、かまぼこ形の畝を立てます。高い畝は水はけがよく、土がやわらかいので、芋がまっすぐ太ります。
黒いマルチを張ると、土の温度が上がって根づきが早くなり、草取りの手間もなくなります。
苗の植え方
植える向きと角度
苗は立てずに、寝かせて植えます。土に埋まった節から根が出て、その根が太って芋になるからです。埋める節は3〜4つが目安です。
| 植え方 | やり方 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 水平植え | 深さ5〜10cmの浅い溝に、苗を水平に寝かせる | 芋の数が多く、大きさがそろいます。長い苗に |
| 舟底植え | 苗の中ほどを少し深く、両端を浅く、舟の底の形に | 数も大きさもほどほどで、乾きにも強い。迷ったらこの方法 |
| 斜め植え | 棒を斜め45度に挿して穴をあけ、苗を差し込む | 手早く植えられ、根づきやすい。短い苗、マルチ栽培に |
| 垂直植え | まっすぐ下に挿す | 芋の数は少なく、1個が大きくなります。プランターに |
畝の向きに沿って、苗の先端を同じ方向にそろえて植えると、つるの伸びる向きがそろい、あとの管理が楽になります。
葉は土の上に出します。葉と先端の芽が土に埋もれないようにするのが大切です。
間隔
株と株の間は30cmです。広くすると1個が大きくなり、狭くすると小ぶりの芋が数多く採れます。焼き芋にちょうどよい大きさにそろえたい方は、30cmをおすすめします。
植えたあと
植えた日にたっぷり水をやります。その後は、晴天が1週間以上続くときだけ水をやれば十分です。
1週間ほどは葉がしおれますが、先端の芽が立ち上がってくれば根づいています。
つるぼけを防ぐ
つるぼけは、つると葉ばかりが茂り、掘ってみると芋が細いままの状態です。原因のほとんどは、土の中の窒素が多すぎることです。
- 前に野菜を作った畑では、肥料を入れない
- 追肥をしない
- 鶏ふん、油かす、未熟な堆肥を使わない
- 水はけをよくする。畝を高くする
夏に葉の色が濃い緑で、つるが太く、畝の外までどんどん伸びていくようなら、つるぼけの気配です。通路に伸びたつるを持ち上げて、途中から出た根を土からはがす「つる返し」をすると、養分が芋のほうへ回ります。
つるを切り詰めるのは逆効果です。葉で作った養分が芋を太らせるので、葉は減らさないほうがよく太ります。
毎年つるぼけする畑は、土に窒素がたまっています。前の年にとうもろこしや葉物野菜を作って肥料分を吸わせておくと、翌年のさつまいもがよく太ります。
プランター、袋での育て方
深さ30cm以上、土が25リットル以上入る大きな容器を用意します。容器1つに苗は1〜2本です。培養土の袋をそのまま使う袋栽培なら、袋の底に水抜きの穴をあけ、1袋に1本植えます。
土は、肥料分の少ない野菜用の培養土を使います。元肥入りの土なら、肥料は足しません。
苗は斜めか垂直に挿します。置き場所は、一日中日が当たる場所です。つるは支柱やフェンスに絡ませると、場所を取りません。
畑と違って土が乾きやすいので、夏は土の表面が乾いたら朝に水をやります。
収穫と貯蔵
掘りどき
植え付けから120〜140日が目安です。試しに1株掘って、芋の太さを確かめてから全体を掘ります。霜に当たると芋が傷むため、初霜の前に掘り終えます。
晴れが2〜3日続いたあとの、土が乾いた日に掘ります。先につるを刈り取り、株元から少し離れたところにスコップを入れると、芋を傷つけません。
掘ったあと
掘った芋は洗わずに、土がついたまま半日ほど畑で乾かします。1個ずつ新聞紙に包み、段ボール箱に入れて、13〜15℃の場所に置きます。冷蔵庫と、冬の屋外は寒すぎます。
2週間から1か月寝かせると、でんぷんが糖に変わって甘くなります。あまはづきだけは、掘ったその日から甘い品種です。
苗の素性で、秋の出来が変わります
同じ畑、同じ育て方でも、苗が病気を持っていると、芋の形が乱れ、数も減ります。
伊勢屋の苗は、茎頂培養で育てたウイルスフリーの親株から採り、自社の農園で発送日の朝に切って送り出しています。病気を持ち込まず、形と収量がそろいやすいので、はじめての方でも育てやすい苗です。
よくある質問
植え付けのとき、肥料は本当に要りませんか
前の年に野菜を作っていた畑なら要りません。葉の色が明らかに黄色く、つるの伸びが悪いときだけ、7月までにカリ中心の肥料を少量足します。
苗を植える向きに決まりはありますか
東西南北の決まりはありません。畝に沿って、先端の向きをそろえて寝かせて植えるのがこつです。
つる返しはしたほうがいいですか
最近の品種は、しなくても十分に採れます。つるが通路でしっかり根を張ってしまったときだけ、持ち上げてはがします。
同じ場所で毎年作れますか
さつまいもは続けて作りやすい作物ですが、病気の予防のために2〜3年に一度は場所を変えるのがおすすめです。
芋に穴があいたり、肌が荒れたりしました
土の中の虫や、未熟な堆肥が原因のことが多くあります。畑の様子をお聞かせいただければ、土作りからご提案します。
育てている途中で、相談できますか
ご相談ください。肥料と土の相談を受けるのが伊勢屋の本業です。つるや葉の写真を添えていただくと、すぐにお答えできます。
