Izumi No.13
イズミ13号
干し芋に向くさつまいもの品種、イズミ13号(いずみ)の特徴と育て方、家庭での干し芋の作り方をまとめました。自分で育てた芋で干し芋を作りたい方、昔ながらの品種を探している方は、希少な苗をオンラインショップでご覧ください。

干し芋の産地が手放さなかった、昭和の品種
干し芋づくりでは、どの品種を使うかで仕上がりが決まります。やわらかさと、噛んだときの甘みの広がり方で、いまも「これがいちばん」と言う作り手がいるのが、イズミ13号です。「いずみ」「泉13号」とも呼ばれます。
生まれたのは昭和の初め。サツマイモの研究者だった泉正六氏が、「兼六」と「農林2号」を掛け合わせて育てました。昭和の初めに生まれたさつまいもで、いまも途切れずに作られている品種は、ほかにほとんどありません。
もともとは、夏に早く掘れて味のよい芋を目指して作られた品種でした。ところが、貯蔵しておくと肉質がねっとりと変わる性質が干し芋にぴたりと合い、干し芋の産地で主役になっていきます。
皮は白っぽく、形は紡錘形。芋はやや小ぶりです。カロテンを多く含み、干し上がりは黄金色がかった飴色になります。やわらかく、粘りが強く、噛むほどに甘みが出てきます。
採れる量が少なく、作る人が減ったため、いずみの干し芋は「幻の干し芋」と呼ばれるようになりました。
育てやすさ
育て方は、ほかのさつまいもと同じです。植えてから早く太る性質を持っているので、育ちそのものは素直です。
採れる量は、べにはるかのような新しい品種より控えめです。干し芋にしたい量から逆算して、少し多めに植える方法をおすすめします。生の芋1kgから、干し芋はおよそ200〜250gできます。
もうひとつ、この品種にはウイルスに弱いという泣きどころがあります。育てた本人が、普及させるうえでの欠点として書き残しているほどです。
植え付けから収穫までの暦
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 4月下旬〜5月上旬 | 畑の準備。肥料は控えめに、高めの畝を立てます |
| 5月中旬〜6月中旬 | 植え付け。株の間は30cmです |
| 10月中旬〜11月上旬 | 収穫。霜が降りる前に掘り上げます |
| 11月〜12月 | 貯蔵。13〜15℃の場所で1か月以上寝かせ、甘みと粘りを引き出します |
| 12月〜2月 | 干し芋づくり。冷たく乾いた風が吹く時期が適期です |
干し芋の作り方
静岡は、干し芋が生まれた土地と言われています。冬に吹く乾いた「遠州のからっ風」と長い日照が、芋を干すのに向いていました。作り方は、いまも昔もほとんど変わりません。
- 1か月以上寝かせた芋を、皮つきのまま蒸します。中くらいの芋で90分ほど、竹串がすっと通るまでが目安です
- 熱いうちに皮をむきます
- 縦に1cmほどの厚さに切ります。小さな芋は切らずに丸のまま干すと、丸干しになります
- 風通しのよい場所で、ざるや網に並べて5〜7日干します。途中で一度裏返します
- 表面が乾いて、中がやわらかいうちに取り込みます
丸干しは2週間ほどかかりますが、中がねっとりと仕上がり、いずみのよさがいちばん出る食べ方です。
できあがった干し芋は、軽くあぶると甘い香りが立ちます。
伊勢屋の苗のこと
ウイルスに弱い品種だからこそ、苗の素性が何より大切です。
伊勢屋のイズミ13号は、茎頂培養でウイルスを取り除いた親株から採った、ウイルスフリー苗です。病気を持ち込まず、芋の形と収量がそろいやすいので、昔の品種でもはじめての方に育てていただけます。
親株は自社の農園で育て、発送する日の朝に採って、その日のうちに送り出します。
苗が出回ることのほとんどない品種です。採れる本数に限りがあるため、お決まりの方は春先のご予約をおすすめします。
よくある質問
干し芋にはどの品種が向いていますか
やわらかく粘りのある干し芋にしたいなら、イズミ13号がおすすめです。手に入りやすい品種では、べにはるかとシルクスイートも干し芋に向いています。品種を変えて作り比べると、色も食感もはっきり違います。
焼き芋にしてもおいしいですか
おいしく食べられます。掘ってすぐは栗のようにほくほく、寝かせるとねっとりに変わります。ただ、この品種の持ち味がいちばん出るのは干し芋です。
干し芋を作るには、苗は何本要りますか
10本植えると、芋は10kg前後が目安で、干し芋にすると2kgほどになります。冬のおやつとご近所へのおすそ分けに、ちょうどよい量です。
暖かい地域でも干し芋は作れますか
作れます。最高気温が10℃前後まで下がり、空気が乾く12月から2月に干すと、かびが出にくく、きれいに仕上がります。
いずみと泉13号は同じものですか
同じ品種です。干し芋の商品名では「いずみ」、品種名としては「泉13号」「イズミ13号」と書かれます。
