Fukumurasaki
ふくむらさき
ふくむらさきは、濃い紫色としっとりした甘さをあわせ持つ紫芋の品種です。特徴、苗の植え付けから収穫までの暦、色を生かす食べ方をまとめました。甘い紫芋を探している方、紫芋の苗をお求めの方はオンラインショップへどうぞ。

「紫芋は甘くない」をひっくり返した品種
紫芋は、色はきれいだけれど甘みが薄く、ぱさつく。お菓子の色づけに使うもの。そう思っている方にこそ食べていただきたいのが、ふくむらさきです。
農研機構の九州沖縄農業研究センターが育成し、2018年に発表されました。味のよい黄色い芋の系統を母に、紫芋の主力品種「パープルスイートロード」を父にして生まれています。
蒸し芋でも焼き芋でも、糖度はべにはるかと同じくらい。食感はしっとりとして、紫芋にありがちな粉っぽさがありません。
切ると、中心まで濃い紫色です。色のもとはポリフェノールの一種のアントシアニンで、父のパープルスイートロードよりも濃く出ます。
食べた人を幸福な気持ちにする紫芋。名前の「ふく」は、その願いから付けられました。
育てやすさ
育て方は、ほかのさつまいもと変わりません。違うのは、急がないことです。
ふくむらさきは、早掘りすると芋が小さく、数量もまとまりません。植え付けを遅らせず、秋の終わりまで畑に置いて、じっくり太らせるのがこつです。
1個の芋はやや小ぶりで、採れる量もべにはるかより控えめです。そのぶん、焼き芋にちょうどよい大きさがそろいます。
掘ったあとの貯蔵は比較的しやすい品種です。新聞紙に包んで13〜15℃の場所に置けば、冬のあいだ楽しめます。
植え付けから収穫までの暦
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 4月下旬〜5月上旬 | 畑の準備。肥料は控えめに、高めの畝を立てます |
| 5月中旬〜下旬 | 植え付け。生育期間を長く取るため、早めの便がおすすめです |
| 6月〜9月 | つるが伸びる時期。草取りのほかは手がかかりません |
| 10月下旬〜11月中旬 | 収穫。霜が降りる前まで畑に置きます |
| 収穫後2週間〜1か月 | 貯蔵。甘みが増していきます |
おいしい食べ方
まずは焼き芋です。割ったときの濃い紫色と、しっとりした甘さの両方が味わえます。黄色い品種の焼き芋と並べて盛ると、食卓がぱっと華やぎます。
蒸してつぶせば、着色料を使わずに紫色のスイートポテト、モンブラン、芋あんが作れます。
ポタージュやチップスにしても色が残ります。レモン汁を少し加えると、紫色が赤みを帯びて鮮やかになります。
直売所やカフェで使う芋を探している小規模の生産者の方にも、色と甘さの両方がそろう品種としておすすめします。
伊勢屋の苗のこと
採れる量が控えめな品種ほど、苗の力が収穫に響きます。
伊勢屋の苗は、茎頂培養で育てたウイルスフリーの親株から採っています。病気を持ち込まず、芋の形と収量がそろいやすいので、はじめての方でも育てやすい苗です。
親株は自社の農園で育て、発送する日の朝に採って、その日のうちに送り出します。
ふくむらさきは、苗を扱う店が少ない品種です。採れる本数に限りがあるため、お決まりの方は春先のご予約をおすすめします。
よくある質問
紫芋なのに本当に甘いのですか
甘いです。育成した農研機構が、蒸し芋と焼き芋の糖度はべにはるかと同じ程度と発表しています。
ほかの紫芋の品種と何が違いますか
これまで主力だったパープルスイートロードと比べて、紫色が濃く、糖度が高く、食感がしっとりしています。お菓子の材料としてではなく、焼き芋でそのまま食べておいしい紫芋です。
早く掘ってもよいですか
おすすめしません。ふくむらさきは生育期間をしっかり取ることで太る品種です。10月下旬から霜が降りる前までが掘りどきです。
黄色い品種の隣に植えても大丈夫ですか
大丈夫です。さつまいもはつるを切って増やす作物なので、隣に植えても芋の色や味が混ざることはありません。掘るときに分かるよう、畝の端に札を立てておくと便利です。
苗は何本から始めればよいですか
10本が目安です。べにはるかやシルクスイートと半分ずつ植えて、色の違う焼き芋を食べ比べる方もいらっしゃいます。
