Planting
いちごの植え付けと植え替え
いちごの植え付けと植え替えの時期、クラウンを埋めない植え方、ランナーの向きのそろえ方、株間、植えたあとの水やり、翌年の植え替えと連作の避け方をまとめました。秋に苗を植える方、去年の株を今年も育てたい方は、土を用意する前にご覧ください。

植え付けも植え替えも、10月がいちばんの適期です
いちごの苗を植えるのも、去年から育てている株を新しい土へ植え替えるのも、適期は同じ10月です。暑さが落ち着いて根が伸びやすく、冬の休眠までに1か月以上の時間がとれます。
| 作業 | 時期 | 目安 |
|---|---|---|
| 秋の苗の植え付け | 10月〜11月上旬 | 最高気温が25度を下回るころから。寒い地域は9月下旬から |
| 春の苗の植え付け | 3月〜4月 | つぼみや花のついた苗を、根鉢を崩さずに植えます |
| 育てている株の植え替え | 10月 | 夏に育てた子株や、夏を越した株を新しい土へ移します |
11月中旬を過ぎると、根が十分に伸びないうちに寒さで生育が止まります。冬越し前の株の大きさが春の花の数につながるので、苗が手元に来たら1週間以内に植えるのがおすすめです。
植える前に、土と場所を用意します
畑は2週間前から準備を始めます
植え付けの2週間前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前に堆肥と元肥を入れて、もう一度耕します。いちごの根は肥料に直接触れると傷みやすいため、元肥を入れてから植えるまでに1週間あけて、土になじませます。
いちごは湿った土が苦手です。高さ15〜20センチの畝を立てておくと、雨のあとも水が引きやすくなります。
プランターは新しい土で
プランターは、深さ15センチ以上のものを用意します。土は、毎年新しいものに入れ替えるのが基本です。
伊勢屋の「苺培土Special」は、いちご専用に配合した土です。水をしっかり抱えながら余分な水は抜けるので、植え付け直後の、根がまだ水を吸えない時期にも土が湿りすぎません。袋を開けて、そのまま使えます。
クラウンは、埋めずに半分見える深さで
いちごの株元には、クラウンと呼ばれる短く太い茎があります。新しい葉も花も、すべてクラウンの中心にある芽から出てきます。植え付けでいちばん大事なのが、クラウンの深さです。
| 植えた深さ | 起こること |
|---|---|
| 深すぎる。クラウンが土に隠れている | 中心の芽に土と水が入り、新しい葉が出ずに腐ることがあります |
| 浅すぎる。根の付け根が見えている | 根が乾いて根づきが遅れ、風で株がぐらつきます |
| ちょうどよい。クラウンの下半分が土の中 | 芽が土の上に出ていて、根は土にしっかり包まれています |
ポット苗は、ポットの土の表面と、植えたあとの土の表面が同じ高さになるようにそろえると、ちょうどよい深さになります。植え穴を先にあけ、根鉢を崩さずに入れ、まわりの土を寄せて軽く押さえます。
水やりを重ねるうちに土が沈んで、クラウンが埋まってくることがあります。植えて1週間ほどたったら一度のぞいて、中心の芽が見えているか確かめておくと安心です。
ランナーの跡で、実のなる向きをそろえます
苗の株元をよく見ると、細い茎の切れ端が残っています。親株とつながっていたランナーの跡です。いちごの花房は、この跡の反対側に伸びる性質があります。
| 植える場所 | ランナーの跡の向き | 実のなる側 |
|---|---|---|
| プランター | 奥(壁側) | 手前。縁から垂れ下がります |
| 畑の2列植え | 畝の内側 | 畝の外側。通路から摘めます |
| 畑の1列植え | 北側 | 日の当たる南側 |
向きがそろっていると、実に日がよく当たって色づきがよくなり、収穫のときに葉をかき分ける手間もなくなります。
ランナーの跡が見つからない苗は、株が少し傾いている方向を見ます。クラウンが傾いている側に花房が出るので、傾いた側を手前に向けて植えます。
株間は、畑で30センチ、プランターで20センチ
| 植える場所 | 株間 |
|---|---|
| 畑 | 25〜30センチ。2列にするなら列のあいだも30センチ前後 |
| 幅65センチのプランター | 20センチほど。3株 |
| 丸鉢 | 8号に1株、10号に1〜2株 |
植えたばかりの苗は小さく、すき間が広く見えます。春になると葉が大きく広がり、30センチの株間がちょうど埋まります。
風が株のあいだを抜けると、葉が早く乾き、灰色かび病やうどんこ病が出にくくなります。1株に十分な日が当たるので、実の大きさもそろいます。
植え付け後の水やり
植えた直後は、底から流れ出るまで
植え付けが終わったら、株元にたっぷりと水をあげます。根鉢とまわりの土のすき間が水で埋まり、根が新しい土へ伸びやすくなります。
根づくまでの2週間は、乾かさない
新しい根が伸び出すまでの1〜2週間は、根鉢の中の水だけが頼りです。土の表面が乾きはじめたら、早めに水をあげます。
中心から新しい葉が立ち上がってきたら、根づいた合図です。そこからは、土の表面がしっかり乾いてからあげるやり方に切り替えます。
植えてすぐ、外側の古い葉が赤くなったり枯れたりすることがあります。根づくまでのあいだに株が古い葉を手放しているためで、中心の新しい葉が緑色なら心配はいりません。
翌年も育てるときの植え替え
いちごは多年草なので、収穫を終えた株は翌年も実をつけます。続けて育てる方法は2つあります。
子株に更新する
収穫のあとに伸びるランナーの子株をポットで育て、10月に新しい土へ植え付けます。若い株は根の勢いがよく、実の数も大きさも安定します。いちごの栽培では、毎年こうして株を若返らせるのが基本です。
親株をそのまま植え替える
夏を越した親株を使う場合は、10月に古い葉と残ったランナーを取り除き、新しい土へ植え替えます。クラウンが2つ、3つに分かれて大きくなっている株は、手で分けて1芽ずつ植えると、芽が込み合わず、実が小さくなるのを防げます。
年数を重ねた株は、実がだんだん小さくなります。同じ株を使うのは2年目までとし、3年目からは子株か新しい苗に切り替えるのがおすすめです。
連作を避ける
同じ場所でいちごを続けて育てると、土の中にいちごを好む病原菌やセンチュウが増え、根の傷みや萎黄病などの病気が出やすくなります。
畑では、一度いちごを育てた場所は1〜2年あけて、そのあいだは別の野菜を育てます。庭が広くない場合も、畝の位置を毎年ずらすだけでちがいが出ます。
プランターは、土を新しくすれば同じ場所で毎年育てられます。容器は使う前に水でよく洗い、日に当てて乾かします。古い土にそのまま植えると、畑の連作と同じことがプランターの中で起こります。
よくある質問
いちごの植え替えは、春でもできますか
春に花つきの苗を買ってきて、大きな鉢やプランターへ植え替えることはできます。根鉢を崩さずに、そっと移すのがこつです。すでに育てている株を春に掘り上げて植え替えると、花と実に回る力が落ちるため、秋まで待つことをおすすめします。
定植と植え付けは、ちがう作業ですか
同じ作業です。ポットなどで育てた苗を、収穫まで育てる場所へ植えることを、農家は「定植」と呼びます。
植えたあとに、クラウンが土に埋まってしまいました
株のまわりの土を指でそっとよけて、中心の芽が見えるようにします。株を引き抜いて植え直すと根が切れるので、土のほうを動かします。
12月に苗を手に入れました。今から植えても育ちますか
植えられます。根の伸びる時間が短い分、株は小さめに冬を越します。株元にわらやもみ殻を敷いて霜で根が浮くのを防ぐと、春の立ち上がりがよくなります。
去年いちごを育てたプランターの土を、もう一度使えますか
いちごには新しい土をおすすめします。古い土は、根やごみを取り除いてから、いちご以外の草花や野菜に回すと無駄になりません。
植え付けのときに、肥料は入れますか
畑では1週間前までに元肥を入れておきます。肥料入りの培養土を使うプランターでは、植え付けのときに足す必要はありません。
