Fertilizer
いちごの肥料と追肥
いちごの肥料を与える時期と量の考え方を、肥料屋がまとめました。元肥の入れ方、11月と2月の追肥、肥料のやりすぎで起こること、プランターと畑のちがい、肥料の選び方まで。追肥のタイミングに迷っている方、葉ばかり茂って花が少ない方はご覧ください。

いちごは、肥料を少なめに、時期を外さずに
いちごは、野菜のなかでも肥料に敏感な作物です。根が細く浅いため、濃い肥料に触れるとすぐに傷みます。トマトやなすと同じ感覚で与えると、多すぎます。
与える時期は、1年に3回です。
| 時期 | 肥料 | 目的 |
|---|---|---|
| 植え付け前 | 元肥 | 根づいたあと、冬までに株を太らせる |
| 11月 | 追肥1回目 | 冬越し前に、クラウンに養分を蓄えさせる |
| 2月中旬〜下旬 | 追肥2回目 | 春の新しい葉と花を後押しする |
12月から2月上旬までは、いちごが休眠していて肥料を吸いません。この時期に与えた肥料は土に残り、春に一度に効いて葉ばかりを茂らせます。肥料は、根が動いている時期に合わせて与えるのが基本です。
元肥は、植える前に土になじませます
畑の元肥
植え付けの2週間前に、苦土石灰を1平方メートルあたり100グラムほどまいて耕します。1週間前に、完熟した堆肥と、ゆっくり効くタイプの肥料を入れて、もう一度耕します。
入れてすぐに植えると、溶け出したばかりの肥料に根が触れて傷みます。1週間おくのは、肥料を土になじませるためです。堆肥は、未熟なものを使うと土の中で発酵して根を傷めるので、完熟と書かれたものを選びます。
プランターの元肥
市販の培養土の多くは、あらかじめ肥料が入っています。袋に「元肥入り」とあれば、植え付けのときに足す必要はありません。肥料の入っていない土を使うときは、ゆっくり効く粒状の肥料を、袋に書かれた量だけ土に混ぜます。
追肥は、11月と2月の2回が基本です
1回目は、根づいた11月に
植え付けから3〜4週間たち、中心から新しい葉が出てきたら、根が動いている合図です。ここで1回目の追肥をします。
冬に入る前のいちごは、葉でつくった養分をクラウンと根に蓄えます。蓄えの多い株ほど、春に上がってくる花房の数が増えます。
2回目は、新しい葉が動き出す2月に
2月の中旬から下旬、寒さがゆるんで株の中心から明るい緑色の葉がのぞいてきたら、2回目の追肥をします。畑では、この追肥を済ませてからマルチを張ります。
3月に入ってからの追肥は、効き出すころには花と実の時期に重なり、葉ばかりを育てることになります。2月のうちに済ませておくのがおすすめです。
追肥のやり方
肥料は株元に置かず、株から10センチほど離してまきます。プランターなら、株と株のあいだか、縁に沿ってまきます。まいたあとは、土の表面と軽く混ぜ、水をあげます。
クラウンや葉の上に肥料の粒がのると、そこから傷みます。粒がのったときは、手で払い落としておきます。
量は、肥料の袋に書かれた「いちご」または「野菜の追肥」の量が上限です。迷ったら少なめにします。足りない分はあとから足せますが、入れすぎた肥料は土から取り出せません。
肥料をやりすぎると、起こること
いちごの栽培の失敗は、肥料の不足よりも、やりすぎのほうがずっと多く見られます。
| 株の様子 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 葉が大きく、色が濃く、茂っているのに花が少ない | 窒素が多すぎます。株が葉を育てることを優先しています |
| 収穫の時期なのに、ランナーばかり伸びる | 窒素が多すぎます |
| 実がやわらかく、味が薄い | 窒素が多いと、実の締まりと甘みが落ちます |
| 葉の縁が茶色く枯れこむ | 肥料焼けです。土の中の肥料が濃くなり、根が水を吸えなくなっています |
| アブラムシやうどんこ病が増えた | 窒素が効きすぎた、やわらかい葉に集まります |
肥料焼けが出たときは、プランターなら、鉢底から水が流れ続けるくらいたっぷりと水をあげ、余分な肥料を洗い流します。置いた肥料の粒が残っていれば、取り除きます。
反対に、肥料が足りないときは、葉の色が全体に薄くなり、外側の葉から黄色や赤みを帯びてきます。冬の紅葉は寒さによるもので肥料とは関係がないので、春になっても新しい葉の色が薄いときに、少量を足します。
プランターと畑のちがい
| 比べる点 | プランター | 畑 |
|---|---|---|
| 肥料の持ち | 水やりのたびに流れ出るので、切れやすい | 土の量が多く、長く残る |
| 濃くなりやすさ | 土が少ないので、少しの入れすぎで濃くなる | 多少の入れすぎは土が受け止める |
| 追肥の考え方 | 少ない量を、時期を守って | 元肥をしっかり、追肥は控えめに |
| 収穫中 | 葉の色が薄くなったら、薄めた液体肥料を2週間に1回ほど | 基本は不要 |
プランターは、肥料が切れやすく、同時に濃くもなりやすい環境です。1回の量を増やすのではなく、少ない量で回数を分けるのが合っています。
春、花が咲いてから収穫が終わるまでのあいだに葉の色が薄くなってきたら、規定の倍率に薄めた液体肥料を水やり代わりに与えます。液体肥料は効きが早く、切れるのも早いので、実の時期の調整に向いています。
肥料屋がおすすめする、いちごの肥料の選び方
リン酸が多めのものを選びます
肥料の袋には、窒素、リン酸、カリの割合が「8-8-8」のように3つの数字で書かれています。窒素は葉を、リン酸は花と実を、カリは根を育てます。
いちごには、真ん中のリン酸の数字が窒素と同じか、それより大きいものが向いています。窒素の数字だけが大きい肥料は、葉ものの野菜向けです。
ゆっくり効くものを選びます
有機質の入った肥料や、粒の表面を覆って少しずつ溶けるようにした緩効性の肥料は、効き方がおだやかで、根を傷めにくいのが特徴です。一度にどっと効く速効性の化成肥料だけで育てるよりも、失敗が少なくなります。
迷ったら、いちご用と書かれた肥料を
いちご専用の肥料は、リン酸を多めに、窒素を控えめに配合してあります。はじめての方には、専用の肥料をおすすめします。
伊勢屋は、いちごの生産農家に肥料を届け、施肥の相談を受けてきた肥料屋です。オンラインショップでは、家庭菜園で使いやすい量の肥料をそろえています。容量と価格はショップでご確認いただけます。
土がよければ、肥料は少なくてすみます
肥料を吸うのは根です。根が傷んでいる株は、どれだけ肥料があっても吸えず、残った肥料がさらに根を傷めます。肥料の前に、根が元気に張れる土かどうかが先にあります。
いちご専用の土「苺培土Special」は、水もちと水切れを両立させた配合で、鹿沼土の粒のあいだに空気が残り、白い根がよく張ります。根が多い株は、少ない肥料をむだなく吸い上げます。
よくある質問
いちごの追肥は、いつ、何回すればいいですか
11月と2月の2回が基本です。1回目は植え付けから3〜4週間後、2回目は2月の中旬から下旬、新しい葉が動き出すころです。
追肥の時期を逃して、3月になってしまいました
粒の肥料をまとめて与えるのは控え、薄めた液体肥料を2週間に1回ほど、葉の色を見ながら与えます。花が咲きそろうころには、量を減らします。
冬のあいだも、肥料は要りますか
12月から2月上旬は休眠期で、肥料を吸いません。11月の追肥が済んでいれば、2月まで何もしなくて大丈夫です。
油かすや鶏ふんは、いちごに使えますか
使えます。どちらも、発酵済みと書かれたものを選びます。鶏ふんは効きが早く成分も濃いので、量は控えめにします。未発酵のものを株のそばに置くと、発酵の熱とガスで根が傷みます。
野菜用の肥料でも育ちますか
育ちます。袋の数字を見て、窒素だけが多いものを避けます。3つの数字が同じ「8-8-8」のような肥料なら、量を控えめにして使えます。
収穫が終わったあとは、肥料をあげますか
ランナーから来年の苗を取る親株には、6月に少量を与えます。苗を取らない株には必要ありません。
