In a Planter
いちごをプランターで育てる
プランターでいちごを育てる手順をまとめました。プランターの深さと大きさ、1つに何株植えるか、土の選び方と量、ベランダでの置き場所、季節ごとの水やりの頻度まで。ベランダでいちごを育てたい方、春に苗を買った方、秋から始める方は、土を買う前にご覧ください。

プランター1つで、ひと春に60粒のいちごが摘めます
いちごは根が浅く、株も小さくまとまるので、畑がなくても育てられます。幅65センチのプランターが1つあれば3株植えられ、1株から20〜30粒、合わせて60〜90粒ほどの実がとれます。
プランターのよいところは、動かせることです。季節ごとに日当たりのよい場所へ移せますし、梅雨の長雨は軒下でよけられます。実は縁から外へ垂れ下がって育つので、土に触れず、畑よりもきれいな実がそろいます。
始める時期は、年に2回あります。
| 始める時期 | 植える苗 | 収穫 |
|---|---|---|
| 10月〜11月上旬 | 秋の苗を植えて、冬を越させます | 翌年の5月〜6月。株が大きく育ち、実の数が多くなります |
| 3月〜4月 | つぼみや花のついた苗を植えます | その年の5月〜6月。植えてすぐに実を楽しめます |
たくさん収穫したい方には、秋からの栽培をおすすめします。冬のあいだに根を張った株は、春の花の数がちがいます。
プランターの深さと大きさ、植える株数
深さは15センチ以上、20センチあると水やりが楽です
いちごの根は、地表に近い浅いところに広がります。深さは15センチあれば育ちます。20センチ前後あると土の量に余裕ができ、春から初夏の水やりの間隔が延びます。
1つの容器に何株植えるか
| 容器 | 株数 | 土の量の目安 |
|---|---|---|
| 幅65センチの標準プランター | 3株 | 12〜13リットル |
| 直径30センチの丸鉢(10号) | 1〜2株 | 8リットル前後 |
| 直径24センチの丸鉢(8号) | 1株 | 5リットル前後 |
株と株のあいだは20センチほどあけます。
植えた直後はすき間が目立ちますが、春になると葉が手のひらほどの大きさに広がり、隣の株と触れ合うまでに育ちます。詰めて植えると風が通らず、病気が出やすくなり、1株あたりの実も小さくなります。
形と素材の選び方
プラスチックのプランターは軽く、土が乾きにくいので、はじめての方に向いています。素焼きの鉢は通気がよい分、乾きが早くなります。
側面にポケットのついたストロベリーポットや、吊り下げ型の鉢もいちごに向いています。実が空中に垂れ下がるので、汚れず、ナメクジにもかじられにくくなります。
どの容器でも、底の穴から水がしっかり抜けることがいちばんの条件です。
土は、水はけで選びます
プランターの中の水は、底の穴からしか逃げられません。畑よりも水がたまりやすいため、土の水はけのよしあしが、そのまま根の状態にあらわれます。
いちごの根は細く、湿ったままの土では息ができずに傷みます。反対に、乾かしすぎるとすぐに葉がしおれます。
市販の野菜用培養土でも育てられます。水もちを重視した配合が多いので、土の表面がしっかり乾くのを待ってから水をあげるのがこつです。
伊勢屋の「苺培土Special」は、いちごのためだけに配合した専用の土です。水をしっかり抱えながら、余分な水は鉢底からすっと抜けます。鹿沼土を配合しているので、粒のあいだに空気が残り、白い根がよく張ります。
もともとは、いちごの生産農家が苗を育てるための土として作ったものです。水やりの加減に慣れていない方でも、根を傷めにくいのが特徴です。
袋を開けて、そのままプランターに入れて使えます。容量と価格は、オンラインショップでご確認いただけます。
プランターへの植え方
- 鉢底石を、底が隠れるくらいに敷きます
- 土を、縁から2〜3センチ下まで入れます。水やりのときに水がたまる余白になります
- 株のあいだを20センチあけ、株元のふくらみ(クラウン)が土に埋まらない深さで植えます
- 苗に残っているランナーの切り跡を、プランターの奥に向けます。実は反対の手前側にそろいます
- 鉢底から流れ出るまで、たっぷり水をあげます
クラウンの深さとランナーの向きは、春の収穫を左右する大事なところです。植え付けのページで、もう少しくわしくご説明しています。
置き場所は、半日以上日が当たるところ
日当たりが、花の数と甘さを決めます
いちごは日光が好きな作物です。少なくとも半日、できれば朝から午後まで日の当たる場所に置きます。日照が足りないと、葉ばかりが間延びして花の数が減り、実の甘みものりにくくなります。
ベランダで育てるとき
ベランダでも、日当たりがあれば十分に育ちます。置き方を少し工夫すると、株の調子が変わってきます。
- 床にじかに置かず、台やすのこ、ブロックの上に置く。底の風通しがよくなり、水はけも上がります
- 手すりが壁になっているベランダでは、台で高さをかせいで日に当てる
- エアコンの室外機の風が当たらない場所を選ぶ
- 受け皿に水をためたままにしない
冬も屋外に置いたままにします
いちごは、冬の寒さに当たることで春に花を咲かせる準備をします。室内に取り込むと、春になっても花が上がってきません。
氷点下5度ほどまでの寒さなら、防寒をしなくても冬を越します。葉が赤くなったり地面に伏せたりするのは、寒さに耐えている姿です。
水やりの頻度
基本は1つです。土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりあげます。毎日少しずつあげるやり方では、土の表面だけがぬれて、根のある深さまで水が届きません。
季節ごとの頻度の目安です。
| 時期 | 頻度の目安 | 時間帯 |
|---|---|---|
| 植え付けから2週間 | 土を乾かさないよう、ほぼ毎日 | 朝 |
| 秋、根づいたあと | 2〜3日に1回 | 朝 |
| 冬 | 週に1〜2回 | 暖かい日の午前中 |
| 春、開花から収穫まで | 毎日から1日おき | 朝 |
| 夏、苗を育てるとき | 毎日。猛暑の日は朝と夕方 | 朝と夕方 |
回数はあくまで目安で、決め手は土の乾き具合です。指を土に第一関節まで入れてみて、湿り気を感じなければ水やりの合図です。
春、花と実がついてからは水をよく吸います。この時期の水切れは、実が大きくならない原因になります。
水は、葉を持ち上げて株元に静かに注ぎます。葉や実に水がかかると、病気が広がりやすくなります。
春までの世話
追肥は11月と2月の2回
プランターは、水やりのたびに肥料が流れ出ます。根づいた11月と、新しい葉が動き出す2月に、いちご用の肥料を少なめに与えます。
花が咲いたら、筆で受粉を助けます
ベランダは、ミツバチなどの虫があまり来ません。花が咲いたら、やわらかい筆で花の中心をなでておくと、形のよい実になります。
実が色づきはじめたら、鳥よけのネットをかけておくと安心です。
収穫のあと
6月に入ると、株元からランナーが伸びてきます。先にできる子株をポットで受ければ、来年の苗になります。
よくある質問
プランターの深さは、何センチあれば足りますか
15センチあれば育ちます。20センチ前後あると土が乾きにくくなり、春の水やりが楽になります。
65センチのプランターに4株植えてもいいですか
3株をおすすめします。春に葉が広がると、3株でちょうどプランターがいっぱいになります。株のあいだに風が通ると病気が出にくく、1株あたりの実も大きくなります。
土は何リットル用意すればいいですか
幅65センチの標準プランターで12〜13リットル、直径30センチの丸鉢で8リットル前後が目安です。鉢底石を敷く分、少し少なめで足ります。
水やりは毎日したほうがいいですか
土が湿っているうちは、あげなくて大丈夫です。表面が乾いてからたっぷりあげる繰り返しが、根を強くします。毎日必要になるのは、植え付け直後と、春の開花から収穫の時期です。
室内の窓辺でも育てられますか
屋外をおすすめします。室内は日照が足りず、冬の寒さにも当たらないため、花がつきにくくなります。
春に買った苗は、来年も実をつけますか
つけます。収穫のあとも水やりを続け、秋に新しい土へ植え替えます。ランナーの子株を育てて株を若返らせると、翌年の実の数が増えます。
