株式会社 伊勢屋肥料農材

Runners

いちごのランナーと苗の増やし方

いちごのランナーを切る時期と残す時期、親株の選び方、子株をポットで受ける手順、切り離しのタイミング、夏越しの管理をまとめました。ランナーが伸びてきてどうすればよいか迷っている方、来年の苗を自分で増やしたい方は、はさみを入れる前にご覧ください。

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ランナーは、いちごが子どもを増やすためのつるです

春になると、いちごの株元から細長いつるが伸びてきます。ランナーと呼ばれるもので、先端に小さな子株をつけ、土に触れたところで根を下ろします。いちごは種ではなく、このランナーで増えていく植物です。

ランナーの扱いは、時期によって正反対になります。

時期ランナーの扱い理由
秋の植え付け〜5月の収穫中付け根から切る養分を実に集めるため
収穫が終わる6月から伸ばす来年の苗にするため
7月〜8月子株を切り離して育てる秋の植え付けに間に合わせるため
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収穫が終わるまでのランナーは、切ります

花が咲いて実がふくらむ時期にも、ランナーは次々に出てきます。そのままにすると、実に回るはずの養分が子株づくりに使われ、実が小さくなります。

見つけたら、付け根に近いところをはさみで切ります。手で引っぱると株元のクラウンを傷めるので、はさみを使うのがおすすめです。

はさみの刃を消毒用のアルコールで拭いてから使うと、病気を株から株へ運ばずにすみます。

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苗を取る親株を選びます

収穫の終わりが近づいたら、どの株から苗を取るかを決めます。子株は親株の性質をそのまま受け継ぐので、親株選びが来年の出来につながります。

  • 実の数が多く、形と味がよかった株
  • 葉の色が濃く、勢いのある株
  • 葉に黒い斑点や白い粉、縮れやまだら模様が出ていない株
  • しおれたことのない株

元気な親株なら、1株からひと夏に10株以上の子株がとれます。プランター2つ分の苗なら、親株は1〜2株あれば足ります。残りの株は、収穫が終わったら片づけます。

親株は、実をつけ終えたあとも水やりを続けます。6月に入ったら少量の追肥をすると、ランナーの出がよくなります。

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1番目の子株は使いません

ランナーは、1つ目の子株の先からさらに伸びて、2つ目、3つ目と子株を連ねていきます。親株に近い順に、太郎苗、次郎苗、三郎苗と呼ばれています。

苗にするのは、2番目と3番目の子株です。1番目の太郎苗を使わない理由は2つあります。

親株の病気を受け継ぎやすい

親株が病気を持っていた場合、いちばん近い太郎苗に移っている可能性がもっとも高くなります。

大きくなりすぎて、株が老化しやすい

太郎苗は早い時期にできるため、秋までに育ちすぎます。根が茶色く固くなった苗は、植え付けたあとの根の伸びが鈍く、生育がそろいません。

4番目より先の子株は、できる時期が遅く、秋までに十分な大きさになりにくい苗です。数が足りないときの予備として考えます。

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ポット受けのやり方

子株を土の入ったポットの上に固定して、根を下ろさせる方法をポット受けと呼びます。地面にそのまま根づかせるよりも、病気が移りにくく、秋の植え付けで根を傷めません。

用意するものは、直径9センチのポリポット、土、ランナーを留めるピンです。ピンは、針金をU字に曲げたもので代用できます。

  1. ポットに土を入れ、水をかけて湿らせておきます
  2. 子株の葉が2〜3枚開き、付け根に根のもとになる小さな突起が見えたら、受けどきです
  3. 子株をポットの中央に置き、親株側のランナーをピンで留めます。子株そのものは押さえず、クラウンを埋めないようにします
  4. 太郎苗は切らずに、ポットの外でそのままにしておきます。養分の通り道になっているためです
  5. 根づくまでの10日ほどは、ポットの土を乾かさないように水をあげます

受ける土は、水はけを優先します

子株を受ける6月から7月は、梅雨と暑さが重なります。ポットの中が湿ったままだと、出たばかりの根が傷み、炭そ病も出やすくなります。

伊勢屋の「苺培土Special」は、もともといちごの生産農家がこのポット育苗に使うために作った土です。「もう少し水切れがいい培土を」という農家の声から、平成9年に1年の試行錯誤を経て生まれました。鹿沼土を配合しているので根張りがよく、秋には土をふるわず、根鉢のまま植え付けられます。

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根がついたら、親株から切り離します

ポット受けから2〜3週間たち、子株を軽く持ち上げてもポットごとついてくるようになったら、根が回った合図です。

切り離すときは、ランナーの残し方に差をつけます。

切る場所残す長さ目的
親株側のランナー2〜3センチ秋に植えるときの向きの目印になります。実は反対側につきます
先端側のランナー付け根で切る目印と見分けるため

切り離しは7月中に終えるのが目安です。8月に入ってからの苗は、秋までに株が太りきらないことがあります。

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夏越しが、苗づくりの山場です

切り離した苗は、10月の植え付けまでポットで育てます。いちごは暑さが苦手で、夏は1年でいちばん株が傷みやすい季節です。

  • 午前中だけ日が当たる場所か、風通しのよい明るい日陰に置く
  • 雨の当たらない軒下に置き、ポットは地面から離して台にのせる
  • 水は朝、株元に静かに注ぐ。猛暑の日は夕方にも様子を見る
  • 古くなった外側の葉を取り、葉を3〜4枚に保つ
  • 苗から出てくるランナーは切る
  • 8月下旬からは肥料を控える

8月下旬から肥料を控えるのは、花芽をつくらせるためです。いちごは、秋の涼しさと日の短さを感じ、体の中の窒素が減ってくると、花芽をつくりはじめます。この時期に肥料が効きすぎていると、春の花が遅れます。

葉やランナーに黒くへこんだ斑点が出た苗、急にしおれた苗は、炭そ病の疑いがあります。ほかの苗に広がる前に、ポットごと取り除きます。

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数年に一度は、新しい苗に更新します

ランナーで増やした苗は、親株の分身です。親株がウイルスを持っていれば、子株にもそのまま受け継がれます。ウイルスはアブラムシが運んでくるため、屋外で育てているかぎり、年を追うごとに感染の機会が積み重なっていきます。

ウイルスに感染した株は、枯れることはありません。葉が少しずつ小さくなり、実の数が減り、粒が小さくなっていきます。変化がゆっくりなので、肥料や天気のせいに見えてしまうのがやっかいなところです。

同じ株から増やし続けるのは2〜3年までとし、そのあとは新しい苗に入れ替えることをおすすめします。いちごの生産農家も、親株を定期的に更新しています。

新しい苗を親株にして増やせば、また数年、勢いのある株で楽しめます。

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よくある質問

ランナーは、いつから切らずに伸ばしてよいですか

収穫が終わりに近づく5月下旬から6月が目安です。それまでに出たランナーは、実を太らせるために切ります。

苗を増やす予定がないときは、ランナーをどうしますか

すべて付け根から切ります。伸ばしたままにすると、株の力が子株に使われます。

子株から根が出ていません。ポットに受けても大丈夫ですか

大丈夫です。湿った土に触れていると、1週間から10日ほどで根が伸びてきます。ピンで留めて、子株が土から浮かないようにしておきます。

1番目の子株しか育っていません。使えませんか

家庭菜園なら、使って実をつけさせることはできます。親株が健康だったことが条件です。秋に根が茶色く固まっていたら、植えるときに根鉢の底を軽くほぐすと、新しい根が出やすくなります。

親株は、苗を取ったあとどうしますか

片づけるのが基本です。役目を終えた親株は夏に病気が出やすく、そばに置くと、育てている苗に移ることがあります。

夏のあいだに苗が枯れてしまいました

暑さと多湿による根の傷みか、炭そ病が考えられます。秋に新しい苗を植えれば、春の収穫には間に合います。

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