プランターでいちごを育てる。土と鉢の大きさ

プランターのいちごは、鉢と土を買う時点で半分決まります。鉢は深さ15センチ以上、幅65センチの標準プランターに3株。土は12〜13リットルで、選ぶ基準は水はけです。大きすぎる鉢も、水もちのよすぎる土も、いちごには向きません。売り場で迷わないための数字を、順にお伝えします。
いちごは、小さな鉢と少しの土で育つ作物です
トマトを1株育てるには、深さ30センチの大きな鉢と、20リットル近い土が要ります。いちごはその半分以下で足ります。根が地表から15センチほどの浅いところに広がる作物だからです。
10月は、いちごをプランターで始める方がいちばん多い月です。売り場には鉢も土も山ほど並んでいますが、いちごに必要なものは多くありません。
| 容器 | 植える株数 | 土の量の目安 |
|---|---|---|
| 幅65センチの標準プランター | 3株 | 12〜13リットル |
| 直径30センチの丸鉢(10号) | 1〜2株 | 8リットル前後 |
| 直径24センチの丸鉢(8号) | 1株 | 5リットル前後 |
標準プランター1つで、ひと春に60〜90粒。1株から20〜30粒が目安です。
鉢は、深さより水の抜け方で選びます
深さは15センチあれば育ちます
根が浅いので、深さは15センチで足ります。20センチ前後あると土の量に余裕ができ、春から初夏に水やりの間隔が延びます。
それ以上深い鉢は、いちごにはあまり得になりません。根の届かない底のほうに、いつまでも湿った土が残ります。野菜用の深型プランターしか手元にないときは、鉢底石を厚めに敷いて、土の層を20センチほどにおさえると、水の抜けがよくなります。
底を見て選びます
売り場でプランターを手に取ったら、ひっくり返して底を見ます。穴がいくつもあいているもの、底がすのこ状になっているものが向いています。穴が1つか2つの鉢は、鉢底石を必ず敷きます。
どの容器でも、あげた水が底からすぐに流れ出ること。これがいちばんの条件です。
素材のちがい
プラスチックは軽くて乾きにくく、はじめての方に向いています。素焼きの鉢は側面からも水分が抜けるので根には快適ですが、春の晴れた日は半日で乾きます。毎朝水やりができる方向きです。
側面にポケットのあるストロベリーポットや、吊り下げ型の鉢もいちごによく合います。実が空中に垂れるので、汚れず、ナメクジにもかじられにくくなります。

65センチのプランターに3株がちょうどいい理由
苗を並べてみると、3株ではすき間だらけに見えます。4株、5株と植えたくなるところです。
春になると、いちごの葉は手のひらほどの大きさに広がります。20センチの株間は、4月にはちょうど埋まります。詰めて植えると、葉が重なって風が抜けず、灰色かび病やうどんこ病が出やすくなります。土の中でも根が水と肥料を取り合うので、1株あたりの実は小さくなります。
3株植えても5株植えても、プランター1つからとれる実の重さは、それほど変わりません。変わるのは1粒の大きさです。大きくて甘い実を摘みたいなら、3株がいちばんの近道です。
土は、水はけで選びます
プランターの中の水は、底の穴からしか逃げられません。畑より水がたまりやすいので、土の水はけのよしあしが、そのまま根の状態にあらわれます。
いちごの根は細く、湿ったままの土では息ができずに傷みます。反対に、乾かしすぎるとすぐに葉がしおれます。水を抱える力と、余分な水を逃がす力。土には、この両方が要ります。
売り場での見分け方
袋の上から握ってみて、ずしりと重く、細かい粉のような手ざわりの土は、水もちに寄った土です。軽くて、粒の感触がある土は、水はけに寄っています。いちごには、粒を感じる土が向いています。
袋の表示も見ます。赤玉土、鹿沼土、軽石、パーライトといった粒の材料が入っていれば、粒のあいだに空気の通り道が残ります。
水をかけてみると、もっとよく分かります
家に帰って鉢に土を入れたら、苗を植える前に、じょうろで水をかけてみます。水が表面にたまらずにすっとしみ込み、数秒で底から流れ出てくれば、水はけのいい土です。表面に水たまりができて、なかなか引かない土は、鉢底石を厚めにして、水やりの間隔を長めにとります。
野菜用の培養土を使うとき
市販の野菜用培養土でも、いちごは育ちます。多くの野菜に合うように水もちを重視した配合が多いので、土の表面がしっかり乾くのを待ってから水をあげるのがこつです。鉢底石を多めに敷く、受け皿に水をためない、という工夫も効きます。
いちご専用の土という方法
伊勢屋肥料農材の「苺培土Special」は、いちごのためだけに配合した土です。鹿沼土を配合していて、水をかけると鉢底からすぐに水が流れ出ます。それでいて、根のまわりにはほどよい湿り気が残ります。
もともとは、いちごの生産農家が苗を育てるために使っている土です。平成9年、お付き合いのある農家の「もう少し水切れがいい培土を」というひと言から生まれました。水やりの加減に慣れていない方でも、根を傷めにくいのが特徴です。ほかの土と混ぜずに、袋を開けてそのまま使えます。
苗と土のことは、伊勢屋にお聞きください
苺培土Specialを見る鉢と土の用意から、植え付けまでの手順

- プランターを水で洗い、日に当てて乾かします。去年使ったものは、とくにていねいに
- 鉢底石を、底が隠れるくらいに敷きます。底がすのこ状のプランターは、なくても水が抜けます
- 土を、縁から2〜3センチ下まで入れます。押し固めず、側面を軽くたたいて落ち着かせます
- 株間を20センチあけて、苗を置く位置を決めます。65センチのプランターなら、中央に1株、その左右に1株ずつ
- 株元のふくらみ、クラウンが土に埋まらない深さで植えます
- 鉢底から流れ出るまで、たっぷり水をあげます
- 台やブロックの上に置きます。床にじかに置くより、底の風通しと水はけがよくなります
買い物のリストにすると、プランター、鉢底石、土、苗3株、じょうろ。いちご用の肥料は、根がついた11月の追肥から使うので、あとから買い足しても間に合います。
置き場所は、半日以上日の当たるところ。冬も室内には入れず、屋外で寒さに当てます。いちごは、寒さに当たることで春に花を咲かせる準備をします。
時期は、静岡など暖地で10月から11月上旬が目安です。寒い地域では、半月ほど早めに始めます。
土の量でよくある3つの失敗
土が足りなくて、浅いプランターになった
14リットルの袋を1つ買って、プランター2つに分けた、という話をよく聞きます。土の深さが10センチを切ると、春に1日2回の水やりが要るようになります。65センチのプランター1つに、12〜13リットル。足りないよりは、少し余るくらいがちょうどよい量です。植えたあとに土が沈んだとき、足す分にもなります。
去年の土に、そのまま植えた
去年トマトや花を育てた土は、粒がつぶれて水はけが落ちています。いちごを育てたあとの土なら、いちごを好む病原菌も残っています。いちごには、毎年新しい土を使うのが基本です。古い土は、根やごみを取り除いて、いちご以外の草花に回せば無駄になりません。
庭の土を入れた
畑や庭の土は、プランターに入れると水やりのたびに締まって、固い塊になります。プランターには、プランター用に作られた土を使います。
苗も、同じ土で育てています
伊勢屋のいちご苗は、自社農園で、苺培土Specialを使って育てています。苗が育ったポットの土と、植える先のプランターの土が同じなら、根鉢の中と外で水の動き方がそろいます。根は環境の変化にとまどわず、新しい土へ伸びはじめます。
袋の容量と価格は、オンラインショップでご確認いただけます。いちご苗と肥料も、同じショップで一緒にそろいます。
よくある質問
プランターの深さは、何センチあれば足りますか
15センチあれば育ちます。20センチ前後あると土が乾きにくくなり、春の水やりが楽になります。
土は何リットル買えばいいですか
幅65センチの標準プランター1つで12〜13リットルが目安です。プランターの底や側面のラベルに容量が書かれているので、そこから鉢底石の分を引いて考えます。
100円ショップのプランターでも育ちますか
育ちます。見るところは値段ではなく、深さが15センチ以上あるか、底の穴から水がしっかり抜けるかの2点です。穴が少ないものは、鉢底石を敷いて使います。
鉢底石は、必ず要りますか
底がすのこ状になっているプランターなら、なくても水は抜けます。底の穴が少ない鉢や、水もちのよい土を使うときは、敷いておくと根が傷みにくくなります。
丸い鉢と長いプランター、どちらがいいですか
置き場所に合うほうで大丈夫です。丸鉢は1株ずつ日当たりのよい場所へ動かしやすく、長いプランターは3株をまとめて世話できます。どちらも、1株あたりの土の量は4〜5リットルが目安です。
春に苗を買っても、同じ鉢と土でいいですか
同じです。春の苗はつぼみや花がついているので、根鉢を崩さずにそっと植えます。水をよく吸う時期なので、深さ20センチ前後の、土が多めに入る容器だと水やりが楽になります。



